「オキシ塩化ビスマス」という化合物が鱗片状になったホワイトパールの顔料です。雲母チタン系に比べ、反射力がとても強い点が最大の特徴です。
基本的な反射力、輝度が強いため、雲母チタンパールと比較すると同じ粒子径でも格段に強い反射効果が得られます。

反射力が強いため、白地の上に乗せてホワイトパールにした場合でも、雲母チタン系ホワイトパールに比べてより真珠感が強く、深みのあるパール表現になります。
また、黒味のある下地に乗せると金属顔料に近い輝きのメタリック・シルバーが表現でるのも大きな特長です。

金属顔料のメタリックは上からクリアを乗せると粒子の配列が乱れ、金属感が大きく減じてしまう性質があるのですが、ビスマスパールではこうした現象が起こりません。
従って、上からクリアコートしてあるシルバー表現や、シルバーの上からクリアオレンジを乗せるゴールドの表現などにおいて大きな力を発揮します。
また、金属顔料のシルバーは黒味を含んでいるため、黄色や赤のように少しの黒味でも発色が悪くなる色を鮮やかに発色させる事が極めて難しくなります。
(シルバー地ではメタリック・イエローやメタリック・ピンクの表現はまず不可能でしょう)
この点、ビスマスパールは黒味を一切含まない一方、反射力は金属顔料シルバーと遜色ないレベルですから、様々な色によるメタリック表現が可能になるわけです。

雲母堂本舗製品の基本とも言える標準的な雲母チタン系ホワイトパールの超微粒子顔料です。全ラインナップの中で一番顔料粒子の細かいグレードになります。
(現行の各社模型用パール商品の中でも最小と思われます)
粒子感、ラメ感の少ないパール、メタリック効果を望む用途に適します。
他種パール顔料、塗料、色材との混合に問題なく対応します。

顔料ベースに人造雲母を採用した雲母チタン系ホワイトパール顔料で、この点以外は基本的にMGパールと同様です。
粒子径はMGパールと比較するとわずかに大きいのですが、両方を並べ注視してようやくわかる程度の差です。

一般的な雲母チタン系パール顔料のベースには天然の雲母鉱石を粉砕した粒子が使われます。天然雲母は不純物を含むため鉱石の状態だと純白ではなく褐色を帯びた塊である場合が殆どです。^[図1] 顔料に使う状態では極薄の薄片になっているのでほぼ無色透明に見えますが、厳密には純白ではなくアイボリーがかった粒子です。

AGパールは不純物を排除した人造雲母をベースに採用し、より純白に近い白さを追求したホワイトパール顔料です。

当然、最も適した用途は白ベースに乗せる白パール表現です。

標準的な虹彩色系パール顔料の微粒子タイプです。虹彩色系は原理的な理由からMG、AGパールなどのホワイトパールに比べると1ランク大きな粒径を必要とするのですが、FGパールは虹彩色系パールの枠内ては最も粒径の細かい製品です。
穏やかな発色を望む場合や、発色効果より粒子の細かさを優先する用途に適します。
(発色原理などは「虹彩色パール」の項を参照)

・ FGオパールイエロー
・ FGオパールオレンジ
・ FGオパールレッド
・ FGオパールライラック
・ FGオパールブルー
・ FGオパールグリーン

標準的な酸化鉄パール顔料の微粒子タイプです。顔料の粒度はFGパールとほぼ同等です。粒子の細かさを優先する用途に適するのもFG同様です。
(詳細は「酸化鉄パール」の項を参照)

・ HGゴールド
・ HGブロンズ
・ HGカッパー
・ HGラセット

標準的な顔料着色系パール顔料です。反射力と鮮やかな発色を両立させるため、FGやHGよりさらに粒径の大きい設計になっています。
(詳細は「着色パール」の項を参照)

・ PCイエロー
・ PCオレンジ
・ PCレッド
・ PCパープル
・ PCブルー
・ PCグリーン

・ PCディープブルー
・ MCブラック

高輝度、高反射型のパール顔料です、虹彩色系と酸化鉄系があります。基本構造は標準型のパール顔料と同じですが、雲母鉱石原料の吟味や、反射の妨げになる粒子成分の排除、といったチューンアップによりできる限り反射力を上げる設計がされたタイプの顔料です。高反射を目的としているため、標準型に比べて大きな粒度に設計されています。
反射力の強さはそのまま輝度の高さ、彩度の高さに繋がります。
(彩度の向上は特に虹彩色系において顕著です)
多少粒子が目立っても、より鮮やかな発色や輝きが欲しい場合に適しています。
(粒度の粗さ、輝度の高さ、彩度の高さ、これらの点以外の性質は基本的に標準型に準じますので「虹彩色パール」「酸化鉄パール」の項を参照)

虹彩色系
・ VGイエロー
・ VGレッド
・ VGコバルト
・ VGアクア
・ VGエメラルド
・ VGグリーン

酸化鉄系
・ VGゴールド
・ VGカッパー
・ VGラセット

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